ひらののアメリカノートVol.5

アメリカでは遠い

ア、アメリカ「では」遠い・・・・
またもや題名のいいわけというか説明というかそんなんいいから早く本文に入れよというかな書き出しで恐縮なのだが、今回のタイトルは上記のとおり「アメリカでは遠い」であって「アメリカは遠い」ではない。
アメリカが日本から太平洋1個ぶん遠いことは周知の事実・・その太平洋を巧妙に省略したヨーロッパ中心の世界地図でも東のはじっこでミミズがのたくりつつ穴があったら入ろうとしているような日本と、西のはじっこなんですけどとくに一番西のトコ・ずり落ちそうだからどっか行くとこないですか!地図のウラ面でもいいんですけど!!なアメリカ・・最長で17時間の時差がある日本とアメリカが遠いのは、そりゃアナタあたりまえのお話・もうやあねえオーホホホなのだ。

では、アメリカでは、いったい何が遠いのか?
とゆーとですね、

ガスコンロの火とナベ底が遠い

のである。
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私とぼぶっちはこのたび(2004年10月)、それまで借りていたアパートメントから持ち家コンドミニアムに引っ越し、それにともなって一般家庭用のごく一般的なガスレンジを購入したのだが、どうもそれを使う時に私が感じるのが、ナベやフライパンを置く台の脚(「五徳」という名前らしい)がやけに長いんだなー・したがって弱火なんかにすると熱がナベに届いているのかどーかわからないよーな不安がよぎるんだよなー、という気持ちなのである。

これは、私が日本の小さなアパートで一人暮らしをしていた時に使っていた小さなガスコンロ(といっても日本では普通のコンロだと思う)の経験からかもしれない。また、アメリカのこれまでのアパートメントでは電気レンジで、火(熱線)がナベ底に触れてますという超短距離だったからかもしれない。

でも、やはり秋も深まる今日この頃、私の心の中が「ん・アレ・・?」と少しぐらつくくらい、アメリカの家庭用ガスレンジの火は、ナベ底に遠いのだ。でどうするかというと、とうぜん火を強く長くして、ということはガスを大量に使っておナベを熱することになる。

そういえば、アメリカのガスレンジの特異な点というと、使用しない時でも種火がいつも燃えている、というところだ。だからガスレンジ台のあたりはいつもほの温かくて、アメリカの激しい競争社会に疲れきった心もじんわりとなごみますー・・・ということではなくて、資源のムダ使いだろ!!省エネせーや!!!おまけに危ねー・火事にでもなったらどーすっぺ!!!! と小国日本人のわたくしなんかは思うのである。これには良識ある読者のみなさんも、きっと同意されるに違いない。

ちなみに私たちがこのたび購入したガスレンジは電気着火式で、種火は無い。私はこの時「ああよかった・・・もはやこれ以上の罪を重ねずにすんだ・・・・・」と深い安堵の吐息をもらしたのであるが、フトふり返るとリビングルームの暖炉は種火方式で、そこでは夏でもいつも小さな火が燃えつづけ、わたくしはおのれの罪深さを完全に消し去る事はできないのであった・・・・。

「んでつまり、今回のアメリカノートのテーマはいったい何よ?」
とゆーとですね、
環境問題
のつもりなのだ。
アメリカのガスコンロの火と鍋底の遠さは、そのまま環境問題に対するアメリカ人の気持ちの遠さを写しとっているのではないか?いやそーに違いない!根拠の無い自信には自信あるわよアタシ!! と思ったのである。

例えばアメリカに越してきた昨年12月、私はロサンゼルスのサウス・ベイ地区にあるハモサ・ビーチ市に住み始めた。ここはロサンゼルスでも教育水準の高いところで、人々の環境問題への意識も他の地域に比べればきっと高いはず・・なのだが、それでも、ハモサ・ビーチのアパートメントでは缶でもビンでもペットボトルでもなんでも、同じビニール袋にごっちゃに入れてゴミ出ししているのだった。

これには驚きましたね、あたしゃ。
日本では住み始めるとまずそこの役所へ行って、各種ゴミのイラストをふんだんに使い綿密に説明されたゴミの分別マニュアルをもらう。でも、アメリカじゃ別に役所なんかへ行かないし(社会保障番号カードの住所変更には行く)、ゴミ出しマニュアルどころか何のガイダンスも受けずに暮らし始めるのだ。

・・・で、ごっちゃに混じって出されたゴミはいったいそれからどうなるのか?
わたくしは恐る恐る、ゴミの行く末をぼぶっちに聞いてみた。
その回答:
「んとね、砂漠に持って行って、谷を埋め立てて、その上に公園かなんか作ります」

・・・し・しかし・・・・
いくらゴミの下に漏れ防止シートを敷いたとしても、長い年月の間にホコロビができてけっきょく土壌汚染、地下水汚染、というのは日本でもよく聞く話じゃねーべか?
日本と違って乾燥したアメリカの砂漠ならホコロブ時間はずっとあとになるかもしれないけど、それでもいつかSF的に遠い将来、アメリカという国家も無くなり気候も変わって湿潤化したそのゴミの谷間に、何も知らない未来の人々がどこかからやっと逃げ延びてきてホッとしたのもつかの間、、わけのわからん毒素で無念の死をとげてしまう・・・という悲劇さえ起こりうるんじゃねーべか?

ああでもたしかに、そんな遥かな悪夢のことはさておき現在のアメリカの超広大な荒野や砂漠を飛行機や車から眺めれば、
ゴミなんか、まとめてどっか隅に置いときゃいいのよ♪ いっぱい置き場所はあるんだからねー
という気持ちになるのもわからないでもない・・・・

きっとそのへんの感覚が、ひいては京都議定書でのアメリカのあっと驚く鈍感な無協調ぶりの原因にもなっているのだろう・・・・が・しかし・・・・・・それにしても・・・・・ウムムムム・・・・・

とうなっていたら、このたび暮らし始めたレドンド・ビーチ市(これもサウス・ベイ地区)のコンドミニアムの道路むかいに、「リサイクルセンター リ・プラネット♪」なるかわいらしくも明るいデザインの小屋が見えるではないか!
そこでさっそくわたくしとぼぶっちはいそいそと、とある日曜日の夕方に、たまったペットボトルを持っていった。

説明どおりペットボトルを回収口に詰め込んでー
説明どおりボタンを押してー

しーん・・
(何も起こらず)

え?え?
「日曜日も午後8時までOPEN」って書いてあるからだいじょーぶだよね?
(ボタンをくりかえし押す)

しーん・・・

11月の風がかすかに吹く、静かな夕暮れであった・・・・・


(2004.11.17 アメリカ時間)
*ちなみにハモサ・ビーチのアパートメントでは、その後ゴミ出し場に「リサイクル・ボックス」(古紙・缶・ビン・ペットボトルなどリサイクルできると思われるものをごっちゃに入れる・汗)が設置されました
*お向かいのリサイクルセンターでは、いつもは人々がペットボトルやビンなどを持ち寄ってつつがなく利用しているもようです

*それから、ガスボイラー専門家でもあるハワードさんからアドバイスをいただきました:
 ナベ底は炎から少し離れている方が燃焼効率が良く、ガスが完全燃焼する。
 炎を金属製のナベ底に当てるのは水で消火してしまうようなもので、またススや一酸化炭素が生じてしまう。 
・・で・でもやっぱり・・遠距離なナベ底と、その遠いナベ底をベロベロなめるほどに炎を大きく「できる」アメリカのガスレンジは、「資源バカスカ使いますよっ」的ライフスタイルを許している・・とわたくしは感じるのね・・・(汗)



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